「GODZILLA(2014年・米)」感想(後半ネタバレ)
通常の劇場の3Dで観たら、
暗い場面が暗すぎてよく分からないところがあったので、
けっきょくもう1回、IMAXへ観に行きました。
そっちだときれいに観れましたね。
映画は基本的には、
一般の人が見たらいい感じに楽しめそうで、迫力も十分で良かったです。
なにより、外国の方がオリジナルのゴジラ映画を作って、
世界で大ヒットさせて日本に持って帰ってきてくれたっていう、
感激の方が強いかも。
84年ごろを彷彿とさせる、
ゴジラ祭り状態になってるのもうれしい。
今回は、パシフィックリムよりも怪獣が怪獣らしかった感じが。
やっぱりゴジラや怪獣映画がお好きな監督さん、って思いました。
MUTOもゴジラも足音が、
オリジナルを思わせる、ズン!って感じだったのもよかったですね。
(ここよりネタバレあり)
しかしこれ、マニア的にはばっさり賛否別れそうですね。
冒頭の水爆実験のところですでにゴジラがいて、あれっ??って思いましたが、
ゴジラは、水爆の影響でああいう生き物になってしまったわけではなく、
もともとあの形で存在していたっていう設定。
最後の核弾頭も、普通に爆発して何もなく終わるし、
なにかゴジラの根底にあるものが薄れてしまっていて、
そこは引っかかるところですね。
BSの映画情報番組でGODZILLAの特集やってたんですが、
MCのおねえさんが映画見たそうで、
感想で「ゴジラって案外いいやつなんですね」みたいなことを言ってて、
いやいやそうじゃないのよおねーさん、って突っ込みたくなりました 笑
そういう意味では今回のゴジラ、まさに平成ガメラでしたね。
MUTOもどことなくギャオスっぽいし。
(インタビューではガンダム見て思い付いたって言われてましたが)
あのつり橋でバスが流れ弾に当たりそうになったとき、
ちょうどゴジラの背びれが出てきて助かるところ、
あれはもしやゴジラが子供たちを救ったのかしら、、、
そんなところもなんかガメラ的だったり。
ま、ゴジラの存在意義とかそういうところ、
自分はわりと、映画として面白ければOKって思う方なんで、
そこはまあ、今回はそういう解釈の作品だったんだ、って思うところもあり、
どっちかっていうと、
全体に何か伝えたいような部分が、
あんまり伝わってこなかったかな、っていうのが気になりましたね。
原発崩壊や津波による洪水シーン、特に今の日本人が見ると衝撃的な映像で、
そこに水爆や核弾頭も出てきて、
観る人に何かを訴えかけたい要素として入ってる風に見えるんですが、
それはけっきょくアクションのひとつに終わってる感じ。
カップルMUTOの件も相まって、
観終わって心に残ったのは、家族愛だけだったかなぁ、という印象。
そのあたりが一番、残念に思ったところでした。
あとはやっぱり、渡辺謙さん演じる博士の存在が、
もひとつ役割が見えなかったっていうか、、
それこそお決まりパターンで、
博士なりの怪獣退治方法を考えて欲しかった気が(笑)
時計を見せて、米軍の人が「ヒロシマ」って発言するのも、
影響与えてるような与えてないようなぐらいでしたしねぇ。
気になったことはもうひとつあって、
自分は、VSビオランテを初めて観たときは、
えっ!??って思ったところがいくつかあったんですけど、
そのひとつが、
ゴジラが海に帰っていくところで急に平和な空気になって映画終わる、っていうところでした。
え?、死んでないのになんで??みたいな。
今回のゴジラもそういうパターンで。
最近のゴジラ映画はわりと、
海に向かって終わりっていうのも、お決まりになりつつあった感じでしたが、
怪獣映画に馴染みのない人は、あれどう思ったんでしょう。
ゴジラを平成ガメラ的な存在なんだ、って思えば、
あれで終わるのも納得な感じ??
その他、思ったところ。
お決まりの電車攻撃もあって、
やっぱり怪獣映画って感じがよかった。
でも、満を持して登場のゴジラでしたけども、
最初のMUTO出てくるとこの方が盛り上がってた気が。。
あと、米軍の皆さんが、
わりとみんな紳士的に描かれてたのも印象的でしたね。
インデペンデンスデイみたいに、
敵をやっつけて「よっしゃー!!」ってガッツポーズみたいなノリも無くて。
そしておまけ。
あの奥様役の女優さん、、、後半のポニーテールの方が好きだわぁ(笑)
最後に、音楽に関して。
先日のNHK-BSの伊福部特番を見ると、
作曲家さんがすごく伊福部音楽を聴いて参考にした、って言われてましたが、
全体に、やんわ~りそんなニュアンスも感じられましたね。
なんかあのメインテーマらしき曲の、
♪ザカザン、ザカザン、ってリズム刻むあたりは、
伊福部マーチのイメージを感じましたが、
そこは違うのかしら、、どうでしょうね。
ただ、ゴジラが勝利したときやエンドロールにも入ってる、
金管楽器で♩ドレ〜って鳴るところ、
そこは明らかに影響が出てる感じが。
音階でいうと、
伊福部昭先生の純音楽作品リトミカオスティナータでほぼ同じフレーズが出るんですが、
象徴的に鳴り響くアレンジは、サロメの曲の♪レミ〜に近い気も。
これってでも、意図して入れたのかっていうと、
自分が曲作る時の感覚でいうと、何ともですね。
やっぱりいろんな参考曲を聴くと、
思いがけず似てしまうことって、音楽に限らずあると思うんですよね。
これぐらい似てても、はっきり狙いです、とは言い切れない気もします。
ただ、参考にしたっていうのが、伊福部先生の映画音楽だけでなく、
純音楽作品も聴かれてたんだっていうのはわかりますね。
ということで、この最後の1文まで読んでくださった方、ありがとうございます。
ハリウッド版「GODZILLA(2014)」、十分楽しませていただきました。
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